粉末成形プレス選定システム

チェックポイント

その1:“成形品のカタチ”

先ず、最初に成形品の形状をよく吟味する必要があります。 生産性と品質面から考慮すると押出成形や射出成形がBetterである場合があるからです。薄物(シート状、板状)やパイプ状は当然ながら押出成形を選定するべきです。また、L/dの比率が大きなもの(2以上)、アスペクト比の高いもの(1:10等)も一般的にはプレス成形は避けた方が良いであろう!!
密度ムラが顕著に出る可能性があるからです。一般的と言ったのは、TOMYXではCIP成形や振動プレス成形なる独自技術を持っているので、プレス成形でも対応できる場合があるからです。射出成形に関しては、どうしてもこれ以外に成形方法が無い時にのみ選定するのが望ましいと 思います。何故なら、設備コスト面、脱旨の環境問題、それにノウハウが経験を伴うために、専門の成形依託業者を使った方が確実で安全であると思うからです。

 

 

その2:“プレス法とその種類”

ロードセル付きネジ式プレス

メカプレス
(カム式)

成形品の品質と用途・目的によって、「荷重制御」 or 「ストローク制御」を選択しなければならない。

 

A:荷重制御

成形金型への粉末の充填量に関係無くプレス圧をコントロールするので、成形品の密度を一定に保つことができます。その逆に成形品の厚み・高さが、粉末の充填量に左右されるので、均一にするには重量充填をするこが望ましい。

 

B:ストローク制御

 

加圧パンチの押し込み距離をカムやデジタルスケール・ボールネジ等でコントロールするので粉末の充填量に関係なく成形品高さを一定に保つことができます。成形品の厚みを一定に揃えることができるので、製品の高さ精度を要求される品物(超硬バイト、精密砥石等)に適しています。しかし、粉末の流動性が悪いと金型内で充填の粗密が大きくなり、焼結変形や強度のバラツキが生じます。

 

  荷重制御 ストローク制御

油圧プレス(高圧式、低圧式) メカプレス(カム式、ロータリー式)
ロードセル付きネジ式プレス リニアスケール付き油圧プレス
ロードセル付きサーボプレス サーボプレス
  ロータリーラウンドプレス

 

 

 

その3:“成形品の大きさと生産量”

成形品の大きさは、プレス成形時のプレス本体のトン数に大きく影響します。つまり受圧面積(cm2)が大きくなれば、面圧(MPa)計算から面圧×受圧面積でプレスの大きさ・能力がかなり大きくなるのです。
一般的には、10トンプレス前後で油圧プレスとカム式メカプレスの設備コストが逆転します。言い換えると成形品が小さくて生産量が多い物はカム式が有利であり、成形品が大きい物は、生産量に関係なく油圧式を選択した方が良いと言うことです。

 

 

その4:“高圧油圧と低圧油圧”

一般的に低圧油圧は、20MPa前後、高圧油圧は、60MPa前後の最大吐出圧力を利用して加圧を行います。
よって、単純に圧力が3倍の違いがあります。言い換えると、同じ仕事をするのに高圧では、油圧シリンダーのボア径を低圧の1/3に抑えることが可能だと言うことです。必然的にオイルの量も1/3で十分であり、敢えて油圧ユニットを設置しなくてもプレスの架台内に設置することができ、非常にコンパクトであると言えます。また、運転中に低圧式では油圧ポンプが常に作動していますが、高圧式では加圧時のみのポンプ稼働であるので、非常に省エネであるとも言えます。当然騒音も軽減でき、50db前後で運転可能です。
しかし、高圧式では圧力が高い分だけ、それをシールするための油圧弁、電磁弁や継ぎ手の高性能化が求められ、コストも高くなりがちです。それ故に、大量生産を要求される場合には、メンテ等を考慮すると低圧式の方が有利であると思います。高圧式は、精密加圧を要求される試験研究用には、コンパクトであり、しかも省エネで低騒音であるので日本の狭い研究所には最適であると思います。

 

 

その5:“弊社取扱プレスの選定”

A. トミックプレス

 ・・・研究開発用及び少量多品種生産用に最適

 

手動式100kN用
TP-100H型

手動ポンプ式でありながら、充填深さの調整が自由にでき、尚かつ自然両軸成形ができる画期的なプレス。
また、プレスフレームは前後面共にアクリルカバーで覆われており、前面はドア式であり、デジタル荷重計も標準装備している。また、テーブル面等はニッケルメッキ仕上げで、ポンプやネジもアルミ製でクリーンな環境での使用を配慮。

B. バイブロフロート成形プレス

 ・・・流動性の悪い粉末や均一成形を要求する製品に!

 

振動充填効果で均一・細密充填を促進できます。フローティングダイセット付きで両軸成形効果で上下均質な成形品が得られます。成形速度は、インバータ制御で粉末に合った速度を選定できます。
1サイクル自動運転が可能で、保持時間もデジタルで設定できまた成形荷重や減圧終了荷重もデジタル設定制御ができます。
脱型方法も2つから選択できます。薄物用・ラミネーションの入りやすい成形品にサンドイッチ抜き出しで脱型ができます。
もちろん、標準離型も装備しています。また、清掃性を考慮して清掃モードを標準装備:成形サイクル終了後にダイが上昇し、下パンチの上端面を確実に清掃できます。

 

 

その5:“弊社取扱プレスの選定”

既に手元にある粉末が、そのままで成形できるのであれば何も問題が無いが、概ね粉末に何らかの問題があり、ただ単にプレス成形しても良質な成形品ができないことがよくあります。先ず、成形品の目的に応じた粉末の粒度分布となっているか!?流動性は良いか!? バインダーや成形助剤を配合して成形する必要はないか!?以上のような問題を自分でクリアできる方は、どんどんと研究を進めて下さい!
しかし、どのような手順で進めれば良いのか?また、テスト機も無いのでトライもできない方、そのような方のためにトミックスジャパンでは、粉砕・成形テスト~バインダーの配合試験や焼成までお手伝いすることができます。
もちろん、内容に依り有償となりますが、すばやく問題解決をするためには、工業試験場へ行くよりも早く成功への道を開くことができると思っております。是非ご来社の上、ご相談下さい。
トミックスジャパンでは訪問営業は一切しておりませんのでご来社していただき、その目で成形状況をお確かめ下さい!!
お待ちしております。